トリモチ切断 忍者ブログ
東西南北くすつば!企画用ブログ
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2019/12/14 (Sat)
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2010/04/04 (Sun)
まとめ
1話
前編

長くなったので分けました。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

うちはそのまま、市ノ上くんに空き教室に連れて来られた。

わざわざ人気の無い所に連れてきて、慰めてくれるものかと思ったが、

「くだらない事でウジウジしないでくれ。頼むから。」

発せられた言葉には、そんなニュアンスは無かった。

・・・ああ、市ノ上くんは、劣等感と無縁な人なんだ。
だから気にしないんだよ。
・・・そうだよね、あの子達は市ノ上くんを悪くは言ってなかった。

沸々と、嫉妬と怒りの感情が沸いてきた。

思わず怒鳴る。

「あんたにはうちの気持ちわからないよ!
外見に不自由しないで!
人より秀でたものを持ってて!
内心では、何も無いうちの事、馬鹿にしてるんじゃないの!?」

「・・・」

馬鹿みたい。市ノ上くん相手に嫉妬剥き出し。こんな事言われても困るだけだよ。

こっそり見上げると、市ノ上くんは呆れたような顔をしていた。

「何言っても無駄か・・・。」
「・・・。」

「そうだ。明日はここで勉強しないか?そうすれば、人目もつかないし。」

・・・何だかんだで気を遣ってはくれてるんだ。
なんだか、余計に惨めだよ・・・。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「あら勲子ちゃん今日は一人?元気ないじゃない」

帰ろうとして、校舎を出た時、山奥先輩に声をかけられた。

「今日はって・・・」
「昨日アーチェリーの子・・・王くんと仲良く帰ってたじゃない。」

せ・・・先輩にまで・・・。誤解された・・・。ショック・・・。

「あの子可愛いわよね~。カレ?」

「ちっ、違いますっ!!ありえませんからっ!!

「アラー、慌てちゃって可愛い。」

あなたに誤解されたから慌ててるんですって!!!

「乙女には悩みがつきものよね。でも、耐えて、乗り切る程いい女になるのよ。」

「い・・・今は乙女の悩みじゃなくて、自己嫌悪です・・・。」

「あら・・・。どうして?勲子ちゃんはいい子よ。」

「実は・・・その市ノ上くんの事なんですけど・・・」

昨日と今日あった事を先輩に説明した。

「その子たちは、きっと羨ましかったのね。あなたたちが。それで陰口叩いて自分達をごまかしたのよ。
・・・それに、王くんは気にしないって言ってくれたんじゃない。」

「でも・・・やっぱり恥ずかしいです。」

先輩位身体が大きければ気にならないんだけどな・・・

「そうだ!ケーキバイキング行きましょう!こんな時はやけ食いが一番よ!」

「えー!?余計身体が大きくなっちゃいますよー!!」

「今日はもうそんな事気にしないの!!」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

・・・そして半ば強制的に、ケーキバイキングに連れていかれた。

最初は山奥先輩の前だからと、遠慮がちに食べていたのだが・・・。

「ムシャクシャしてるときはがっついて食べるのが乙女の作法よ!!」

先輩がうちの前に大量のケーキを並べていった。

「こ、こんなに食べられませんって・・・」

「あ、半分はアタシのよ!アタシもテスト期間でイライラ絶頂なのよ~!食わなきゃやってらんないわ!!んもーっ!」

先輩は目の前のケーキをガツガツ食べ始める。

その様子を見て、思わず笑みがこぼれた。

・・・先輩にはかなわないな。

うちは、目の前のケーキにパクついた。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

次の日。うちの足取りは軽かった。

ルンルン気分で通学路を歩いていると、

「・・・勅使川、おはよう。」

・・・その声で、一気に足取りが重くなった。

市ノ上くん・・・

昨日の今日で、顔を合わせるのが恥ずかしかったので、うちは「おはよう」と小さく言うと、足早に学校へ向かった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

今日は空き教室で勉強。

余計な事を考えず、とにかく勉強に集中したが、顔を上げて端正な顔立ちを見るたびに、複雑な思いが去来した。

―――ああ、やっぱりかっこいいんだよな・・・
それに比べて、うちは・・・


勉強に一段落つき、
「今日はラーメンでも食うか?」
という提案を断って、急いで家に帰った。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

―――そして、テスト期間が終わった。

あれから、市ノ上くんとは喋っていない。

今日は結果発表の日。
多くの生徒が興味なさそうに素通りした。

・・・今回も1位だ。
2位と3点差で、かなりきわどいけど。

・・・あれ?2位・・・

「やっぱり勅使川には勝てなかったか・・・。まあ、勅使川に教えて貰ってたんだから当然か。」

後ろから声が聞こえた。

「市ノ上くん・・・」

「かなり順位が上がった。お前のお陰だよ。ありがとう」

そう言って、市ノ上くんは笑った。

うち、役に立てたんだ・・・

救われた気がした。

「ありがとう。」

「・・・何でお前が礼を言うんだよ。」

・・・よかった。うちにも出来ることがあるんだ。
ちょっとだけ、自信が湧いた。
今なら市ノ上くんの顔が真っ直ぐ見れる。



「あ・・・補習・・・めんどう・・・」

「ボクも~!やだ~!」

その横でうなだれる黒ゴマと那奈。

「あーあ。・・・次はあの二人とスパルタ勉強会しなきゃな~。一回面倒見ないとすぐ落ちるんだから。」

「その時は俺も参加していいか?」

「一緒に先生してくれるならね。特に那奈は手強いよ~?」

市ノ上くんの前で、自然と笑う事ができた。

うちの中で燻っていた嫉妬の炎は、すっかり消えていた。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

副題の嫉妬は、勲子が王に嫉妬するって意味。主に容姿で。比べてしょんぼり。勲子にとって王は、綺麗な女の子(あーことか)と同じようなものなのかも。ある程度男として意識するけどね。

王は勲子の事面倒臭い奴だな、と思いつつ面倒見てるといい。
まあ、勉強教えてもらってるし、みたいな。

勲子はこの話の後、王の事呼び捨てると思います。「市ノ上」って。




・・・おっさんくささなんて取り入れる隙無かったぜちくしょー!

3話
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