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東西南北くすつば!企画用ブログ
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2024/04/26 (Fri)
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2010/04/04 (Sun)
まとめ

まず、一発目は王道?というか公式っぽい話で。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



精一杯おしゃれして、向かう先は・・・







山奥先輩の家の手芸店。







あの人の前では、かわいい自分でいたいから。





材料を買いに行くだけの用事だけど、いつもこんな風に着飾っている。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



・・・あれ?



先輩の店の前に、黒い服の女性がいた。着飾った風ではないのに、すごく綺麗だった。



「あら、あーこちゃん、久しぶりねー!」



先輩は、その人と楽しそうに話していた。



なんだか着飾った自分が惨めに思えてきた。



本当に綺麗な人には敵わない・・・



思わずその場から逃げ出した。





「あら、勲子ちゃん・・・?」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



大通りを外れて、人気のない小さな公園の近くを走っていた。



・・・うち、どうしてあの人が好きなんだっけ。



ふらりと公園に入った。



・・・そうだ、ここで・・・



ふと、一年位前の事を思い出していた。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



うちは、身長と体型が原因で、こっぴどく振られ、公園のベンチで星を見ながら泣いていた。



・・・その時、



「あなた、よくうちに来るお客さんよね。そんな風に泣いてると、可愛い顔が台なしよ?」



ひいきにしている手芸店の息子さんに話し掛けられた。



「あなたには関係ないです・・・。あと、うちは可愛くなんかないです・・・。」



「あら、可愛いわよぉ。アタシはそう思うわ。」



「そりゃ、泣いてる人にブスとか言えませんよね・・・。でも、ウチの事慰めて何か得するんですか?山奥さんイケメンだしもっといい女いっぱい拾えるでしょ」



「まあ!なんて事を言うの!乙女は拾うものじゃないわ!優しく摘むものなのよー!!」



・・・何言ってるんだこの人。



「まったく・・・あんまりウジウジしてると、乙女の鉄槌が顔面直撃するわよ!自分に自信がないなら、磨く事を考えないと!」



「・・・磨いてどーにかなるもんじゃないです。つーか早く消えてください。」



「・・・もうっ!・・・そうだ!あなた、カラオケは好き?」



「嫌いじゃないですけど・・・。ナンパですか?」



「違うわよぉ。乙女のストレス発散法よ。歌って、嫌な事ぜーんぶ吹き飛ばすの!」



・・・そして、半ば強引にカラオケに行かされて、でもだんだんその気になって、二人で大熱唱したんだっけ。



その人のお陰で一瞬にして失恋の痛みを忘れられた。



嵐のような人だったけど、それからその人の事が気になってしょうがなくなっていた。





・・・だけど、完全に吹っ切れた訳じゃないんだな。

その人・・・山奥先輩に恋をして、また古傷が蘇ろうとしている。

結局先輩も、同じなのかな・・・



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



あの時と同じように、ベンチに座っていたら・・・



「勲子ちゃん!」



あの時と同じように、先輩に話し掛けられた。



「な、何でここに・・・」



「さっきうちの前にいたでしょ?様子がおかしかったから、気になって追いかけてきたのよ。



こんなにかわいくしてるのに、泣いてたらダメよ。」



先輩はうちの頬に手を伸ばし、涙を拭ってくれた。



その指の温もりと感触に、ドキドキしてしまう。



「恋の悩み?勲子ちゃんは可愛いから、きっと素敵な恋人ができるわ」



―――先輩に恋して悩んでるんですよ。



そんな事、言える筈もなく。





「先輩は・・・あの黒い服来た女の人みたいな、綺麗な人の方が好きですか?」



「あら。ふふ、そうね。あーこちゃんは素敵な女性よ。



・・・綺麗な人に嫉妬する気持ちはわかるわ。でもね、勲子ちゃんにはあーこちゃんとは違う魅力があるわ。」



「うちがあの人に勝てる要素なんて無いです・・・」



「可愛さは勝ち負けじゃないわ。・・・そうそう。アタシ、勲子ちゃんの事で、とても嬉しい事があるの。」



「え・・・?」



「勲子ちゃんが、うちに来てくれるとき、いっつもおしゃれにしている事。

アタシの前で、可愛い自分でいたいって思ってくれているのが、分かるから。」



・・・ドキっとした。

うちの想いがばれてしまっているのでは、と。



「自分を可愛く見せるというのは好意のアピールでしょ?一年前まであまりおしゃれしてなかったのに、一緒にカラオケ行った後からぐっとおしゃれになったのを見た時、アタシ、友達として認められたんだって、嬉しくなっちゃった。」



「・・・は!?」



友情!?

思わず拍子抜けしてしまった。



結局は・・・先輩からそういう目でしか見られてないって事か・・・

ハァ・・・



「・・・勲子ちゃん。」



先輩は、うちの前髪をかき分ける。そしてあらわになった額に・・・



キスが、おちた。



「!!!!!!」



びっくりし過ぎて、思わず後ろにひっくり返った。



「あらあら大丈夫?ごめんね勲子ちゃん。純情なのね。」



「ああああのっ!今のはどういう意味でっ!!!」



「友情の証よ。これからもよろしくね、勲子ちゃん。」



先輩は、そう言って手を差し延べた。



うちは、友情という言葉にちくりとしつつも、幸せな気持ちで、その手を取った。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



今日も、めいっぱいおしゃれして手芸店に来ていた。



先輩と何時もの調子で談笑していると、あの黒服の女性が来た。

男性が一緒だ。恋人かな・・・?

内心少しほっとした。



「あーこちゃん!今日はダーリン連れて来たのね~!」



「・・・ふふ、昨日の彼女の誤解はとけたようね。」



黒服の女性ことあーこさんは、うちに近づき、こっそり耳打ちして、



「・・・あの人はアクの強い人だから、大変よ。頑張りなさい。」



・・・と、言った。



「ななななななな・・・!」



思わず真っ赤になって、硬直してしまった。



殆ど初対面の人に、うちの想いがばれてしまった・・・



「あら、乙女の内緒話?アタシも混ぜて~!」



こっ困ります!



「・・・ダメよ。」



「ひどいわあーこちゃん!アタシだって、乙女なのよ~!!」









・・・今は友情かもしれないけど、いつか恋に変えたい。



少しだけ先輩との距離が縮んだ気がした。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



勲子が常連の筈なのにあーこを知らないってのは無理があるか・・・?まあいいや。



友情のキスって、本来どこの部位だっけ・・・。セラムンか何かであったよな・・・。忠誠(手の甲)しか覚えてない・・・



あーこはおとんの前では文語調にならないかな、と思った。イメージで。



小説なんざ書き慣れていない為、こんなグダグダがしばらく続くと思いますが、温かい目で見てやって下さい。



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