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2010/06/13 (Sun)
康正話まとめ
恋するあの子 前

康→勲(過去形)が保護者公認になりました(*´∀`*)

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

前に勅使川さんの嫌な噂を俺に話した奴が、勅使川さんと親しげに話していた。

・・・そんな奴に、気を許すなよ。勅使川さん。
だから誤解されるんじゃないか。

席を立って、弁当を持って二人で移動し始めた。

「あれ、二人でどこ行くの?」

「へへっ、勅使川と屋上で飯食う約束取り付けたんだよ。つーわけで俺、次の時間サボるかも。へへっ。」
「・・・そう・・・。」


―――やらしてくれねーかな・・・

ふと、そいつがぽつりと呟いた言葉を思い出した。

・・・嫌な予感がした。
こいつ、何を考えて勅使川さんを誘ったんだ。

誤解するなよ。勅使川さんはそんな子じゃない。


俺は、二人の後をこっそり追い掛けた。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「や、やめてよ!そんな事する訳無いじゃん!」
「あ?やりまくってる癖に、今更何言ってるんだよ!」
「何それ!知らないよ!馬鹿にしないでよ!!やだっ!!」

・・・思った通りだ・・・。
あいつが、勅使川さんに迫っていた。

助けないと・・・!

「・・・おい!やめろよ!嫌がってるだろ!」
「・・・んあ?風間?ついてきたのかよ。」
「勅使川さんを離しなよ。」
「何ヒーロー気取ってんだよ。まさかお前、勅使川に言い寄られてその気になってんの?ばっかじゃねーの?こいつは見てくれが良ければ誰とでもやるんだよ。」

・・・何て酷い言い方・・・。
何も知らない癖に勝手な事を・・・!

「・・・・・・。」

勅使川さんは、黙って俯いていた。

「なあ勅使川?あいつに市ノ上、3年の優男風の先輩に、この前2年の派手な先輩ともいたな。みーんな見てくれのいい男ばっか。・・・あ、チビの先輩はどうだろ。やったの?」
「おい!勅使川さんはそんなんじゃ・・・!」
「お前は黙ってろ。なあ勅使川?」

「・・・そんな誤解、風間くんやみんなに失礼だよ。
・・・うちなんかが、身の程知らずも甚だしいって、皆言ってるでしょ?
でもね、みんな、うちなんか相手にしないよ。もっと素敵な人を見つけられる余裕、あるもん。」

・・・何、言ってるの・・・?勅使川さん・・・。

「ま、勅使川なんて、遊んでる割にたいした事ねーけどな。1回やる位ならいーだろ。」
「・・・・・・。」
「ほら、そんなに男が欲しいなら、俺が相手してやるよ。」
「・・・っ!!」

そいつは遠慮無しに勅使川さんに触りだした。

勅使川さんは泣きそうな顔で身体を強張らせていたが、さっきのように抵抗はしなかった。

・・・何で・・・!どうしてだよ・・・!

そんな奴に言われっぱなしでいいのかよ・・・!




気がついたら、そいつを殴っていた。

喧嘩慣れしてる訳じゃないけど、結構モロにヒットしたらしい。
そいつが疼くまっているうちに、勅使川さんの手を引いて屋上から逃げ出した。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

ちょうどいい空き教室があったので、そこに逃げ込んだ。

「・・・ふう、危なかったね勅使川さん。・・・あいつ・・・許せない・・・!」
「・・・いいよ。うちも悪いんだしさ。確かに軽率だった。」

「そんな事ない!悪いのはあいつだ!・・・それより勅使川さん、どうしてあんな事言ったの。」
「・・・どの事・・・?」
「俺や他の皆が、勅使川さんなんて相手にしないって・・・いつ言ったの?言ってないよね。」
「・・・でも・・・。」
「そういう問題じゃないだろ!何で否定しないんだよ!
言われっぱなしで卑屈になるなよ!」
「・・・うちが、誰とでもやるって話?・・・別に、相手がいないだけで間違っちゃいないし。」
「・・・嘘だ。あいつに迫られた時、本気で嫌がってたじゃないか。誤解されたままでいいの?」



「・・・もう諦めたよ。言われ慣れた。あいつやクラスの皆だけじゃない。山奥先輩だって、そう思ってるよ。」
「山奥先輩・・・!?何で・・・!?それじゃ、あまりにも・・・!!」
「うちが好きって言っても、あの人には届かないの。寂しいから相手にして欲しいだけなんだなって思われておしまいだよ。・・・ただでさえ、恋愛対象として見られてないのにね。」

・・・何て事だ・・・!
本気で恋してる相手にまで誤解されてるなんて・・・!

報われないにも程があるだろ・・・!


「・・・風間くん。うちなんかの事・・・、助けてくれて、ありがとね。」

・・・またそうやって言う。

見てられないよ。
君は、君が思うよりずっと素敵だ。
・・・だから、どうか、卑屈にならないでよ。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

・・・山奥先輩だって、そう思ってる。

その言葉がいつまでも引っ掛かっていた。
そんな誤解、あまりに可哀相だ。

俺は、山奥先輩の家の店に来ていた。

「あら康正ちゃん。真剣な顔してどうしたの?」
「少し・・・先輩に話があって。」
「・・・珍しいわね。何かしら?」

「山奥先輩・・・勅使川さんの事、誤解しないで下さい。
誰彼構わず身体を許すなんて事は無い。恋に真剣な、すごく一途な女の子なんです。」
「・・・それはよく知ってる。
あの子の失恋を知ってるから。

・・・だけどね、失恋のトラウマを今でも引きずってるから、恋にはすごく臆病で・・・。
たまに自棄を起こして、暴走するのよ。

・・・あなたは勲子に対して真剣なようだから言うわよ。あまり気分のいい話じゃないでしょうけど。

・・・勲子に迫られた事はある?」
「・・・!!やっぱり誤解してるじゃないですか!!」
「そう。まだ無いのね。でもいつか、自棄を起こした時、迫られる事はあると思うわ。」
「やめてください!どこにそんな確証があるんですか!勅使川さんが可哀相でしょう!」
「・・・それは、私が実際に迫られた事があるからよ。」
「・・・!それは、勅使川さんが、山奥先輩の事好きだからでしょう!!それを自棄なんて・・・あまりに酷すぎる!」

「・・・いいえ。それは無いわね。第一私はこんなでしょう?
あの子は前の失恋を今でも引きずってるから、あの子にとって私は、せいぜい代わりにしかなれない。」
「何で前の失恋を引きずってるなんて言えるんですか。」
「同じクラスに市ノ上王って子がいるでしょう?あの子がちょうど、勲子の失恋相手に似てるのよ。

最近仲がいいみたいだけど、きっと勲子は、あの子に失恋相手の面影を見ているのね。」

・・・確かにそれは、わからなくもないけど違うと思う。

どうしてこの人は、そこまで客観的に分析できるのに、勅使川さんが自分に向けている感情に気付かないのだろうか。
・・・どうして好きって言葉を信じてあげないのか。

・・・あまりにやりきれない。
勅使川さんが想いを伝えても届かないなら、諦めた俺の気持ちはどこに向ければいいのか。

・・・どれだけ考えても、答えが出なかった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

イサのネガティブさと報われなさを知ってしまった康正。恋愛感情と思っていたものに、同情が上乗せされてしまい、重くなってしまった。

救いたいけど救おうとすれば自分の気持ちが犠牲になる。それでもよかった筈なのに、救おうとする所で躓いてしまう。


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