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2010/06/13 (Sun)
康正話まとめ
恋するあの子 後
恋するあの子の後。
一人称入り乱れてて読みにくいかも。

--------------

‐‐‐‐‐勲子‐‐‐‐‐

「勅使川さんって市ノ上くんと仲いいよね・・・。付き合ってたり・・・する?」

クラスメートの市川さんに、唐突にそう聞かれた。
またこのテの話か・・・。

「誤解されてるけど付き合ってる訳じゃないよ。」

「だったらこれ市ノ上くんに渡してくれる?」

・・・そう言われて手渡されたのは、手紙だった。
見るからにラブレター。
・・・今時古風だな・・・。



「市ノ上、これ。」
「手紙・・・?」
「うちじゃないよ。市川さんから。」
「何で勅使川に渡すんだよ・・・。席後ろなんだから直接渡せよ・・・。」

・・・はあ。こいつらしい反応。

「あんた、わからないの?これがどういう意味の手紙か、どうして直接渡せないのか。」
「とりあえず受け取っとくけど・・・。・・・ああ、このテの手紙ね。悪いけど興味ないって言っておいてくれ。」

・・・軽っ!
市川さんはきっと、この手紙を真剣に書いた筈なのに。
悩んで、勇気が出なくて、手紙をうちに託したのに、こんなにあっさり・・・。
まあ市ノ上はそういう感情と無縁だからね。仕方ないか。
・・・本当、こいつに惚れたら損だよね。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「ごめんね。付き合えないって。」

簡単にそれだけ告げるしかなかった。
市川さんは納得してないようだった。
後味悪い・・・。悪い事したわけじゃないのに、何この嫌な気分。

・・・さらに。

「市川さん、騙されてるよ。勅使川が市ノ上にあなたのラブレター素直に渡すわけないじゃん。」
「こっそり破り捨てたんだよ。」

市川さんの周囲の友達が、そんな事を言っていた。
うちの事をよく思っていないみたいで、嫌な噂流す子たち。
市川さん、あいつらの友達だったんだ・・・。

市川さんが、遠巻きにうちを睨み付ける。

「・・・勅使川さんになんて頼むんじゃなかった。」

なんで・・・うちが・・・。
・・・なんでうちが、責められなきゃならないの!?

・・・だけど・・・
気持ちは、わからなくもなかった。

‐‐‐‐‐康正‐‐‐‐‐

女の子達が、勅使川さんの事を悪く言っていた。
・・・そんな子じゃないのに、勝手な事ばかり・・・。

とんだ言い掛かりだ。
勅使川さんは、渡す勇気の出ない市川さんの為に、代わりに手紙を渡して返事を聞いたのに。

「・・・あの子達、随分と陰湿だね。」
「・・・うん。でも、うちも同じなんだよ。
いつも嫉妬でいっぱい。
上手く行かなければ、誰かのせいにだってするよ。
恋する女の子って、醜いよね。
好きの思いが強ければ強いほど、好きな人に醜い面を見せてしまう。」


「・・・俺は、勅使川さんを醜いなんて思わない。
俺・・・最初は勅使川さんの事、誤解してたんだ。あの子達と同じように。
でも、真剣に恋する君の姿が、まるで別人かと思うほど・・・その、魅力的に、見えた・・・。だから、えっと・・・。」

うわ、これ好きって言う流れじゃないか!
危ない危ない。

「・・・ありがとう、風間くん。そう言ってくれるとうれしいよ。
・・・良かったら、市川さんにも言ってあげて。それだけで、あの子も少しは救われると思うんだ。」

・・・本気にされてない・・・。
・・・市川さんの事は魅力的になんて思えないんだよ。
都合が悪ければ簡単に人のせいにするなんて・・・。

・・・それを責めない勅使川さんに、少しだけ苛立った。
優しさじゃなくて、卑屈さと諦めだってわかるから。

‐‐‐‐‐王‐‐‐‐‐

またややこしい事になって・・・。完全に逆恨みだろ。勅使川も、頼まれたばかりに災難だな・・・。



「あの・・・市ノ上くん・・・。手紙、読んでくれた・・・?」

・・・市川が、怖ず怖ずと聞いてきた。

・・・さっき女友達と陰口叩いてた時とは違う声色に苛立った。
・・・カマかけてみるか・・・。

「渡されてないけど?」

そう嘘をつくと、市川は怒りの表情になった。

「勅使川さん・・・やっぱり・・・。ひどい・・・!」

「へぇ、自分で渡す勇気が出なかったから人に頼んだっていうのに、上手く行かなければひどいだって?それはちょっと卑怯じゃないか?」

「で・・・でも私は、いえ、え・・・どういう・・・。」

「確かに手紙は受け取ったよ。返事も勅使川の言った通りだ。」

「・・・・・・!し、知ってたの!?」

「こんな回りくどい事して、上手く行かなきゃ周囲の友達巻き込んで集団でいじめか?随分陰湿なもんだよ。勅使川も災難だね。

こんなのばっかじゃ、信用できないよな。だから勅使川は女友達より俺の所に来るのか。」

市川は顔を真っ赤にして肩を震わせた。

「・・・勅使川勅使川って!もうやめて!市ノ上くんはあの子が好きなの!?だから味方するの!?」

「味方も何も、勅使川は何も悪くないだろ。君が直接言えば済んだ話だ。」

「くっ・・・!・・・市ノ上くん、まるで勅使川さんがいい子みたいに思ってるだろうけど、あの子遊びまくってるんだよ!騙されないで!

聞いたよ。マンションに一緒に入っていくのを見たって。そういう関係なんでしょ?
だけど勅使川さん、私には付き合ってないって言った。本気にしちゃダメだよ!

私この前勅使川さんが3年の先輩と抱き合ってる所見たよ。色んな人たぶらかしてるんだよ。

クラスの男の子も言ってた。最近アプローチかけられたって。」

「・・・で?その手の話は聞き飽きたよ。

今はそんな問題じゃない。
勅使川の評価を落とすのに必死だね。
・・・でも、無駄だね。俺が君以上に勅使川を嫌いになる事はない。俺は卑怯者なんて大嫌いだ。・・・はあ、君が前の席なんて、気分悪いね。」

「・・・っ!!う・・・!!」

市川がボロボロ泣き出した。
馬鹿か。泣きたいのは勅使川の方だろうが。


市川が女友達の所に泣きながら走っていくと、女友達が同情して慰め始めた。

「無駄だよ。市ノ上は勅使川に色々吹き込まれてるもん。市川さんが悪い子だって。ある事無い事。」
「本当勅使川最悪だよね!遊べば満足なくせに、自分のお気に入りをそんな卑怯な手使ってキープするなんてさ。市川さんの本気の気持ち踏みにじるなんて許せない!」

・・・まるで市川が良くて、勅使川が全部悪いみたいに、事実を捩曲げて友情を演じてる。

・・・歪んでるね。

卑屈で重くても、勅使川の方がずっとましじゃないか。

低脳で自分勝手な奴ら。

・・・本位ではないが、納得いかない。
しばらくは勅使川の味方として、あの粘着質どもと戦う必要がありそうだ。
・・・勅使川の為なんかじゃない、俺の為だ。

・・・俺が、あいつらを許せないだけだ。


・・・それが余計な争いを生むって分かってはいたけど、この怒りは収まらなかった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

長くなったので後編に続く。

手紙 後
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