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2024/04/19 (Fri)
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2010/06/13 (Sun)
康正話まとめ
恋するあの子 後
恋するあの子の後。
一人称入り乱れてて読みにくいかも。
恋するあの子 後
恋するあの子の後。
一人称入り乱れてて読みにくいかも。
--------------
‐‐‐‐‐勲子‐‐‐‐‐
「勅使川さんって市ノ上くんと仲いいよね・・・。付き合ってたり・・・する?」
クラスメートの市川さんに、唐突にそう聞かれた。
またこのテの話か・・・。
「誤解されてるけど付き合ってる訳じゃないよ。」
「だったらこれ市ノ上くんに渡してくれる?」
・・・そう言われて手渡されたのは、手紙だった。
見るからにラブレター。
・・・今時古風だな・・・。
「市ノ上、これ。」
「手紙・・・?」
「うちじゃないよ。市川さんから。」
「何で勅使川に渡すんだよ・・・。席後ろなんだから直接渡せよ・・・。」
・・・はあ。こいつらしい反応。
「あんた、わからないの?これがどういう意味の手紙か、どうして直接渡せないのか。」
「とりあえず受け取っとくけど・・・。・・・ああ、このテの手紙ね。悪いけど興味ないって言っておいてくれ。」
・・・軽っ!
市川さんはきっと、この手紙を真剣に書いた筈なのに。
悩んで、勇気が出なくて、手紙をうちに託したのに、こんなにあっさり・・・。
まあ市ノ上はそういう感情と無縁だからね。仕方ないか。
・・・本当、こいつに惚れたら損だよね。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「ごめんね。付き合えないって。」
簡単にそれだけ告げるしかなかった。
市川さんは納得してないようだった。
後味悪い・・・。悪い事したわけじゃないのに、何この嫌な気分。
・・・さらに。
「市川さん、騙されてるよ。勅使川が市ノ上にあなたのラブレター素直に渡すわけないじゃん。」
「こっそり破り捨てたんだよ。」
市川さんの周囲の友達が、そんな事を言っていた。
うちの事をよく思っていないみたいで、嫌な噂流す子たち。
市川さん、あいつらの友達だったんだ・・・。
市川さんが、遠巻きにうちを睨み付ける。
「・・・勅使川さんになんて頼むんじゃなかった。」
なんで・・・うちが・・・。
・・・なんでうちが、責められなきゃならないの!?
・・・だけど・・・
気持ちは、わからなくもなかった。
‐‐‐‐‐康正‐‐‐‐‐
女の子達が、勅使川さんの事を悪く言っていた。
・・・そんな子じゃないのに、勝手な事ばかり・・・。
とんだ言い掛かりだ。
勅使川さんは、渡す勇気の出ない市川さんの為に、代わりに手紙を渡して返事を聞いたのに。
「・・・あの子達、随分と陰湿だね。」
「・・・うん。でも、うちも同じなんだよ。
いつも嫉妬でいっぱい。
上手く行かなければ、誰かのせいにだってするよ。
恋する女の子って、醜いよね。
好きの思いが強ければ強いほど、好きな人に醜い面を見せてしまう。」
「・・・俺は、勅使川さんを醜いなんて思わない。
俺・・・最初は勅使川さんの事、誤解してたんだ。あの子達と同じように。
でも、真剣に恋する君の姿が、まるで別人かと思うほど・・・その、魅力的に、見えた・・・。だから、えっと・・・。」
うわ、これ好きって言う流れじゃないか!
危ない危ない。
「・・・ありがとう、風間くん。そう言ってくれるとうれしいよ。
・・・良かったら、市川さんにも言ってあげて。それだけで、あの子も少しは救われると思うんだ。」
・・・本気にされてない・・・。
・・・市川さんの事は魅力的になんて思えないんだよ。
都合が悪ければ簡単に人のせいにするなんて・・・。
・・・それを責めない勅使川さんに、少しだけ苛立った。
優しさじゃなくて、卑屈さと諦めだってわかるから。
‐‐‐‐‐王‐‐‐‐‐
またややこしい事になって・・・。完全に逆恨みだろ。勅使川も、頼まれたばかりに災難だな・・・。
「あの・・・市ノ上くん・・・。手紙、読んでくれた・・・?」
・・・市川が、怖ず怖ずと聞いてきた。
・・・さっき女友達と陰口叩いてた時とは違う声色に苛立った。
・・・カマかけてみるか・・・。
「渡されてないけど?」
そう嘘をつくと、市川は怒りの表情になった。
「勅使川さん・・・やっぱり・・・。ひどい・・・!」
「へぇ、自分で渡す勇気が出なかったから人に頼んだっていうのに、上手く行かなければひどいだって?それはちょっと卑怯じゃないか?」
「で・・・でも私は、いえ、え・・・どういう・・・。」
「確かに手紙は受け取ったよ。返事も勅使川の言った通りだ。」
「・・・・・・!し、知ってたの!?」
「こんな回りくどい事して、上手く行かなきゃ周囲の友達巻き込んで集団でいじめか?随分陰湿なもんだよ。勅使川も災難だね。
こんなのばっかじゃ、信用できないよな。だから勅使川は女友達より俺の所に来るのか。」
市川は顔を真っ赤にして肩を震わせた。
「・・・勅使川勅使川って!もうやめて!市ノ上くんはあの子が好きなの!?だから味方するの!?」
「味方も何も、勅使川は何も悪くないだろ。君が直接言えば済んだ話だ。」
「くっ・・・!・・・市ノ上くん、まるで勅使川さんがいい子みたいに思ってるだろうけど、あの子遊びまくってるんだよ!騙されないで!
聞いたよ。マンションに一緒に入っていくのを見たって。そういう関係なんでしょ?
だけど勅使川さん、私には付き合ってないって言った。本気にしちゃダメだよ!
私この前勅使川さんが3年の先輩と抱き合ってる所見たよ。色んな人たぶらかしてるんだよ。
クラスの男の子も言ってた。最近アプローチかけられたって。」
「・・・で?その手の話は聞き飽きたよ。
今はそんな問題じゃない。
勅使川の評価を落とすのに必死だね。
・・・でも、無駄だね。俺が君以上に勅使川を嫌いになる事はない。俺は卑怯者なんて大嫌いだ。・・・はあ、君が前の席なんて、気分悪いね。」
「・・・っ!!う・・・!!」
市川がボロボロ泣き出した。
馬鹿か。泣きたいのは勅使川の方だろうが。
市川が女友達の所に泣きながら走っていくと、女友達が同情して慰め始めた。
「無駄だよ。市ノ上は勅使川に色々吹き込まれてるもん。市川さんが悪い子だって。ある事無い事。」
「本当勅使川最悪だよね!遊べば満足なくせに、自分のお気に入りをそんな卑怯な手使ってキープするなんてさ。市川さんの本気の気持ち踏みにじるなんて許せない!」
・・・まるで市川が良くて、勅使川が全部悪いみたいに、事実を捩曲げて友情を演じてる。
・・・歪んでるね。
卑屈で重くても、勅使川の方がずっとましじゃないか。
低脳で自分勝手な奴ら。
・・・本位ではないが、納得いかない。
しばらくは勅使川の味方として、あの粘着質どもと戦う必要がありそうだ。
・・・勅使川の為なんかじゃない、俺の為だ。
・・・俺が、あいつらを許せないだけだ。
・・・それが余計な争いを生むって分かってはいたけど、この怒りは収まらなかった。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
長くなったので後編に続く。
手紙 後
‐‐‐‐‐勲子‐‐‐‐‐
「勅使川さんって市ノ上くんと仲いいよね・・・。付き合ってたり・・・する?」
クラスメートの市川さんに、唐突にそう聞かれた。
またこのテの話か・・・。
「誤解されてるけど付き合ってる訳じゃないよ。」
「だったらこれ市ノ上くんに渡してくれる?」
・・・そう言われて手渡されたのは、手紙だった。
見るからにラブレター。
・・・今時古風だな・・・。
「市ノ上、これ。」
「手紙・・・?」
「うちじゃないよ。市川さんから。」
「何で勅使川に渡すんだよ・・・。席後ろなんだから直接渡せよ・・・。」
・・・はあ。こいつらしい反応。
「あんた、わからないの?これがどういう意味の手紙か、どうして直接渡せないのか。」
「とりあえず受け取っとくけど・・・。・・・ああ、このテの手紙ね。悪いけど興味ないって言っておいてくれ。」
・・・軽っ!
市川さんはきっと、この手紙を真剣に書いた筈なのに。
悩んで、勇気が出なくて、手紙をうちに託したのに、こんなにあっさり・・・。
まあ市ノ上はそういう感情と無縁だからね。仕方ないか。
・・・本当、こいつに惚れたら損だよね。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「ごめんね。付き合えないって。」
簡単にそれだけ告げるしかなかった。
市川さんは納得してないようだった。
後味悪い・・・。悪い事したわけじゃないのに、何この嫌な気分。
・・・さらに。
「市川さん、騙されてるよ。勅使川が市ノ上にあなたのラブレター素直に渡すわけないじゃん。」
「こっそり破り捨てたんだよ。」
市川さんの周囲の友達が、そんな事を言っていた。
うちの事をよく思っていないみたいで、嫌な噂流す子たち。
市川さん、あいつらの友達だったんだ・・・。
市川さんが、遠巻きにうちを睨み付ける。
「・・・勅使川さんになんて頼むんじゃなかった。」
なんで・・・うちが・・・。
・・・なんでうちが、責められなきゃならないの!?
・・・だけど・・・
気持ちは、わからなくもなかった。
‐‐‐‐‐康正‐‐‐‐‐
女の子達が、勅使川さんの事を悪く言っていた。
・・・そんな子じゃないのに、勝手な事ばかり・・・。
とんだ言い掛かりだ。
勅使川さんは、渡す勇気の出ない市川さんの為に、代わりに手紙を渡して返事を聞いたのに。
「・・・あの子達、随分と陰湿だね。」
「・・・うん。でも、うちも同じなんだよ。
いつも嫉妬でいっぱい。
上手く行かなければ、誰かのせいにだってするよ。
恋する女の子って、醜いよね。
好きの思いが強ければ強いほど、好きな人に醜い面を見せてしまう。」
「・・・俺は、勅使川さんを醜いなんて思わない。
俺・・・最初は勅使川さんの事、誤解してたんだ。あの子達と同じように。
でも、真剣に恋する君の姿が、まるで別人かと思うほど・・・その、魅力的に、見えた・・・。だから、えっと・・・。」
うわ、これ好きって言う流れじゃないか!
危ない危ない。
「・・・ありがとう、風間くん。そう言ってくれるとうれしいよ。
・・・良かったら、市川さんにも言ってあげて。それだけで、あの子も少しは救われると思うんだ。」
・・・本気にされてない・・・。
・・・市川さんの事は魅力的になんて思えないんだよ。
都合が悪ければ簡単に人のせいにするなんて・・・。
・・・それを責めない勅使川さんに、少しだけ苛立った。
優しさじゃなくて、卑屈さと諦めだってわかるから。
‐‐‐‐‐王‐‐‐‐‐
またややこしい事になって・・・。完全に逆恨みだろ。勅使川も、頼まれたばかりに災難だな・・・。
「あの・・・市ノ上くん・・・。手紙、読んでくれた・・・?」
・・・市川が、怖ず怖ずと聞いてきた。
・・・さっき女友達と陰口叩いてた時とは違う声色に苛立った。
・・・カマかけてみるか・・・。
「渡されてないけど?」
そう嘘をつくと、市川は怒りの表情になった。
「勅使川さん・・・やっぱり・・・。ひどい・・・!」
「へぇ、自分で渡す勇気が出なかったから人に頼んだっていうのに、上手く行かなければひどいだって?それはちょっと卑怯じゃないか?」
「で・・・でも私は、いえ、え・・・どういう・・・。」
「確かに手紙は受け取ったよ。返事も勅使川の言った通りだ。」
「・・・・・・!し、知ってたの!?」
「こんな回りくどい事して、上手く行かなきゃ周囲の友達巻き込んで集団でいじめか?随分陰湿なもんだよ。勅使川も災難だね。
こんなのばっかじゃ、信用できないよな。だから勅使川は女友達より俺の所に来るのか。」
市川は顔を真っ赤にして肩を震わせた。
「・・・勅使川勅使川って!もうやめて!市ノ上くんはあの子が好きなの!?だから味方するの!?」
「味方も何も、勅使川は何も悪くないだろ。君が直接言えば済んだ話だ。」
「くっ・・・!・・・市ノ上くん、まるで勅使川さんがいい子みたいに思ってるだろうけど、あの子遊びまくってるんだよ!騙されないで!
聞いたよ。マンションに一緒に入っていくのを見たって。そういう関係なんでしょ?
だけど勅使川さん、私には付き合ってないって言った。本気にしちゃダメだよ!
私この前勅使川さんが3年の先輩と抱き合ってる所見たよ。色んな人たぶらかしてるんだよ。
クラスの男の子も言ってた。最近アプローチかけられたって。」
「・・・で?その手の話は聞き飽きたよ。
今はそんな問題じゃない。
勅使川の評価を落とすのに必死だね。
・・・でも、無駄だね。俺が君以上に勅使川を嫌いになる事はない。俺は卑怯者なんて大嫌いだ。・・・はあ、君が前の席なんて、気分悪いね。」
「・・・っ!!う・・・!!」
市川がボロボロ泣き出した。
馬鹿か。泣きたいのは勅使川の方だろうが。
市川が女友達の所に泣きながら走っていくと、女友達が同情して慰め始めた。
「無駄だよ。市ノ上は勅使川に色々吹き込まれてるもん。市川さんが悪い子だって。ある事無い事。」
「本当勅使川最悪だよね!遊べば満足なくせに、自分のお気に入りをそんな卑怯な手使ってキープするなんてさ。市川さんの本気の気持ち踏みにじるなんて許せない!」
・・・まるで市川が良くて、勅使川が全部悪いみたいに、事実を捩曲げて友情を演じてる。
・・・歪んでるね。
卑屈で重くても、勅使川の方がずっとましじゃないか。
低脳で自分勝手な奴ら。
・・・本位ではないが、納得いかない。
しばらくは勅使川の味方として、あの粘着質どもと戦う必要がありそうだ。
・・・勅使川の為なんかじゃない、俺の為だ。
・・・俺が、あいつらを許せないだけだ。
・・・それが余計な争いを生むって分かってはいたけど、この怒りは収まらなかった。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
長くなったので後編に続く。
手紙 後
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