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2024/04/20 (Sat)
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2010/04/10 (Sat)
まとめ
かざみ編

正也視点です

正也と馨、あと???。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

言ったら嫌われるのは解りきっていたが、誰かに解ってほしかったという本心があったのだろう。
だけど・・・再確認しただけだった。
ボクが受け入れらる事はないという事実を。



かざみは、軽蔑するような目ではなかったが、どこか哀れむような目で、ボクを見ていた。

ボクを理解してくれるのは・・・、ただひとり、師匠だけだと知った。

「お父さん・・・正也くんの事、知ってて弟子にしたのですか?」
「かざみには刺激の強すぎる話だったな。ガハハ!・・・でも大丈夫だよあいつは。いつか全てを理解する。」
「どういう意味ですか・・・?」
「おめーは解らなくて大丈夫だ。カメラマンなら、誰もが通る道さ。」
「私、正也くんを助けたいんです。でも、どう接したらいいかわからなくて・・・」

・・・かざみは馬鹿だなぁ・・・。迷惑なんだよ。そんな気遣い。あの話の後態度を変えた時点で、もうボクの事は理解できないんだよ。
でも、よかった。ここから追い出される事は無いみたいだ。
はるみさんに言ったら、どうなるか解らないけど。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

校舎裏に行くと、たまに面白い人に出くわす。今日も誰かいるみたいだ。



・・・馨さんだ。
本当に面白い人に会ったな。

目に焼き付けるだけでいい。
今日はあまり刺激しないようにしよう。

また、黒いナントカ、と言われないように、本心をしまい込む。

「相変わらず一人ですか?馨さんは。・・・?」


「則也っていうのか?あんた・・・」


な・・・に・・・?


「ここの卒業生か。・・・何?それはできない。」


誰と・・・喋ってるんだ・・・?

周囲を見渡しても誰もいない。それに・・・則也・・・ここの卒業生・・・

・・・馬鹿馬鹿しい。ただの偶然だろう。
ただの独り言か、妄想か何かだろう。
幽霊と話をするなんて、非現実的だ。ありえない。

それも、兄さんと話をしてるなんて。

―――だけど、心霊写真の事と、この前の事を考えると、完全に否定もできない。


「・・・誰だ!!!」

ボクに気付いたらしい。

一瞬逃げ腰になるが、逃げなかった。何故かボクをまじまじと見る。
何かを感じたかのように。


「・・・人には心を開かない癖に、幽霊には心を開くんですね。面白い人だ。」

ほんの冗談で言ったつもりだった。

「お前も、人の心にズカズカ土足で踏み入ろうとする癖に、自分の事は話そうとしないな。」

「ハハハ!ボクはそんな深い人間じゃありませんからね。あなたの目に映るボクが、ありのままのボクです。」

「嘘をつくやつは嫌いだ。」

「はいはい。また黒いナントカですか?・・・そこら辺にいる幽霊にでも聞いたらどうですか?誰か知ってるかもしれませんよ。」

「・・・もう、聞いた。」

・・・・・・え?

「お前が現実から逃げて、本心をひた隠しにしてるって聞いた。兄が自分の目の前で・・・っ!?」

ボクは咄嗟に馨さんの口を押さえた。
・・・そんな馬鹿な・・・!馨さんに全て知られた・・・!?

まさか本当に兄が・・・。いや、そんな筈は無い。・・・くだらないハッタリだ。
だが、ハッタリにしては的確過ぎる。
しかしこの人がボクの過去を調べるとは思えない。

馨さんの口許から手を離す。

「誰からそんな話聞いたんです?」

「則也・・・、お前の兄が言っていた。心配しなくても、誰にも言わないし、必要以上にお前に関わったりはしない。」

・・・本当だろうか。
ここまで来ると、信じた方が利口だろうか・・・?

「・・・別に言っても結構ですけどね。言うあてがあれば。」

「・・・うるさい!」

「余計な事を言ったのはあなたでしょう。・・・まあ仮に、本当に兄が言ってたのでしたら、ボクは、何も隠している事なんかない。いつもありのままに生きているとお伝えください。」

「・・・・・・。」

馨さんは、そっぽを向いてどこかに行ってしまった。

わずかにこちらを見たとき、ボクを見る目が変わっていた事に気がついた。

あなたにまで、そんな顔されるとはね。本当に、何もないのにな、ボクには。

しかし、やっかいな事になった。かざみの事で反省したばかりなのに、結局馨さんにも知られてしまうとは。

まあ、元々ボクを嫌っていたようだから、変わらないか・・・。



・・・兄さんの幽霊か。
写真に写してもあまり綺麗じゃなさそうだな。


そんな考えとは裏腹に、目には涙が伝っていた。

悲しいなんて、今はもう、思っていない筈なのに・・・

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

正也の兄、則也はいじめられっ子でした。不良のいなさそうな白南風に入ったにも関わらず、ジメジメといじめられていました。だからこそ、馨は話を聞いてあげたんだと思います。

馨が「それはできない」って言ったのは、則也に「正也を救ってやってほしい」と言われて。

馨にとって正也は、まだ信用できない人だから。
正也は遠慮なしに馨の領域に踏み込もうとしますが、自分は心の内を明かさない。そういうずるさを馨は信じられないのです。




嘉彦さんは、正也の本心を見抜いているんじゃないかな。懐の広い大人。

あと、嘉彦さんのいうカメラマンなら誰でも通る道、という話は、倫理的な事に対するバッシングです。正也の本心ではなく立場のほう。報道カメラマンとかは特に。撮る前に助けろ!とかそういう話。でも、撮らないと真実を伝えることができない。だからカメラマンには、そういう良心やバッシングと戦えるタフな心が必要なのではないかと。

嘉彦さんが何カメラマンなのか知らないけどさ。

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