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東西南北くすつば!企画用ブログ
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2018/12/16 (Sun)
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2010/04/17 (Sat)
まとめ

中学時代の一ノ瀬と勲子。

一ノ瀬視点。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

・・・一年前の夢を見た。
親から受ける圧力から逃れようと考え始めた時期。

・・・それがここまで堕ちるなんて、考えもしなかった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「あら、学年3位だったの?上に二人もいるじゃない。どうして一位が取れないの?」

「一位・・・?あら?100点が3つしかないじゃない。他の人が駄目だっただけなのね。次は全部100点取りなさい。」

「あら、全部100点だったの!?・・・今回のテストは簡単だったのね。これで満足しないで頂戴。」



・・・頑張っても頑張っても、母さんが褒めてくれる事はなかった。



「おまえの成績なら白南風が無難かしらね。本当はもっと遠くのいい学校に通わせたいのだけど、無理でしょうから。まあ、本家の息子の通っている学校よりは偏差値高いし、仕方ないかしらね。」


母さんは、何かと本家だ分家だの話をする。

うちは分家だから立場が弱いらしいのだ。なので、せめて息子を立派に育てて本家に認めて貰おうとしている。

・・・そんな家の事情なんて、俺は知らないのに、そんな事の為に頑張らされている。




・・・くだらない。
俺は、そんな外っ面の為に生きているのか。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「あの・・・一ノ瀬くん」

「・・・あんだよ?」

「ご・・・ごめんなさい!何でもないです・・・」

同じクラスの、おどおどした女に話し掛けられた。妙に背が高い。
名前は確か・・・テシガワ、とか言ったか?


「何か用があるんじゃないのか?」

「あ、あの・・・。数学のテスト範囲、分からない所があって・・・。一ノ瀬くんなら分かるかな、と思って・・・」

・・・そんな事でわざわざ俺に話し掛けて来たのか。物好きな奴。」


「・・・どこ?見せてみろ。・・・ああ、これね。」

俺はテシガワに解き方を説明した。

「・・・すごーい!解けたー!ありがとう一ノ瀬くん!・・・そうだ!」

テシガワは落ち着かない様子で聞いて来た。

「・・・ねえ、一ノ瀬くん・・・。テスト、もうすぐでしょ?
一緒に勉強しない?と言っても、うちが一ノ瀬くんに教えてもらいたいだけなんだけどさ。・・・め、迷惑かな・・・。」

そんな事に時間を割けば、確実に成績が落ちる。・・・でも、いい機会かもしれない。

そもそも自分の為に勉強してる訳じゃないんだ。もう、頑張らなくていいよな。

「・・・いいよ。」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

・・・俺は、いままでずっと勉強ばかりで、人との接し方を知らなかった。

クラスメイトと話をする事はあるけど、どこか表面的だった。

・・・こんな風に他人と接するなんて、滅多になかった。

・・・話題なんてないけど、普通に自分の勉強しつつ、テシガワの質問に答えていればいいのか?

「・・・所で一ノ瀬くんは、やっぱり白南風?」

「え・・・?あ、進路か?」

「うん。頭いいからって白南風とは限らないか。」

「・・・そうだな。」

親は白南風に行けと言うけど、本当は東海林に行きたかった。自由で、活気に溢れていて、そこでなら俺も変われる気がした。勉強以外の事を、知る事ができる気がした。

「東海林に、行きたい・・・かな。」

「東海林!?意外~・・・って言うのは失礼か。あそこ、楽しそうだもんね。」

「そういうお前は?」

「東海林か西水流がいいなって思ったけど、決めた。東海林にする。」

「何で?」

「・・・秘密。」

今までになく、勉強が楽しかった。多分、ひとりでやるよりはかどらないのだろうが、俺は、こっちの方が好きだ・・・。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

そして。


2位か・・・
テストの成績は落ちたが、勅使川はかなり成績を伸ばしていた。

「ありがとう!一ノ瀬くんのお陰だよ!」

勅使川は満面の笑顔だった。
それが・・・すごく嬉しかった。


「100点も無ければ一位でもないなんて・・・!怠けたのね!信じられないわ!!お義母様が!家の立場が!!この親不孝者!!」

家に帰って、母親の薄っぺらい説教を聞いても、何も感じなかった。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

・・・それから、テスト期間まで勅使川と関わりはないと思っていたが・・・

「一ノ瀬くん、顔、腫れてるよ?どうしたの?」

「ああ・・・成績下がったから平手打ち喰らったんだよ。母親に。」

「え・・・?あんなにいい成績なのに・・・?・・・ごめんね。うちのせいだよね。」

「いや、母親がちょっとおかしいだけだ。勉強なら、いくらでも付き合えるよ。」

「勉強なら、か・・・」

勅使川は俯いた。

「う、うちね・・・、一緒に勉強っていうのはただの口実で、い、一ノ瀬くんと仲良くなるきっかけが欲しかっただけなんだ・・・。」

え・・・それって・・・。
・・・まさか俺に、そういう感情向けてくるやつがいたなんてな。

「うち・・・一ノ瀬くんの事、好きなの。だから・・・勉強だけじゃなくって、その・・・付き合って・・・くれませんか?」

顔を上げた勅使川は真っ赤で、今にも泣きそうだった。

「・・・いいよ。」

別に断る理由もなかったので、そう、返事をした。

「本当・・・!?嬉しい・・・!!」

勅使川は泣き笑いの表情だった。

こんな風に、誰かの好意が自分に向けられるのが、心地よかった。だから・・・、勅使川の気持ちを受け止めた。




後に、それが安易で薄っぺらい気持ちだった事を知る。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

告白から数日後、周囲が俺達が付き合っている事を認識し始めた時、陰口を叩かれるようになった。

俺と勅使川・・・イサが、身長とか体格で釣り合わないと。
・・・背、低くて悪かったな。
イサは俺以上に気にしているようだった。

それが余計恥ずかしくて、惨めな気持ちになった。
・・・俺とイサは、付き合ったら駄目なのか?


黒い感情が沸き起こる。
何やってんだ、俺。


・・・だったら、なかった事にしよう。



告白してきたのは向こうだし、悪いのはあいつだよな。

腹立たしい。本当、迷惑。苛々する。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

俺はイサに一方的に別れを告げた。

イサは相当ショックを受けたらしい。呆然と立ち尽くしていた。

・・・その後、かなり恨まれてしんどかったが、それ以上の事は考えが及ばなかった。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

なんで今さらこんな夢・・・。

あの時の俺は自分の事が精一杯で、イサに沢山ひどい事をした。

事件の後、母親が家の名を守るため、多額の示談金を用意したらしい。・・・本当、薄っぺらいな。

先に進むためには、俺からイサに謝らなきゃならない。



「・・・なあ、王。頼みがあるんだけど・・・」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

一ノ瀬は、勉強ばかりさせられ続けて、思いやりとか、愛とか友情とかがわからない子でした。悪い事も、悪いと感じなかった。

勲子は3日で別れたと言っていますが、実際はもう少し期間が長めかもしれません。3日=すぐってイメージあるし。三日で辞める、とかよく言うよね。

長くても一週間かな~・・・



一ノ瀬は軽いんじゃなくて恋愛感情を知らなかったからひどい振り方した。境遇のせいで潔癖で、失敗を恐れるタイプなのでなかった事にした。勲子の事を大切にする頭が無かったんだな。
2話
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